導入修習を振り返る

司法研修所の入り口。 修習

修習生は最初の約3週間を埼玉県は和光市の司法研修所で過ごし、導入修習をこなす。日程はおよそ12月中の月曜から金曜まで、9時50分から17時までである。
導入修習の狙いはおそらく、法曹となるべく裁判官、検察、弁護士の実務を学ぶにしても、何も知らないままいきなり実務に放り込まれるのもどうか、という配慮にあるのだろう。

しかし導入修習で何かを学んだかというと、難しい。

導入修習は、教官の講義、実務のDVD視聴、グループワークが中心である。いずれも、前提知識を各々が修得していることが前提となっている。民事執行・保全法や公判前整理手続等を学んだ記憶に乏しい私は、「そんな事言われても知らないんだが?」と不知の知を修得する場でしかなかった。一応、修習開始前に白表紙(しらびょうし)という、表紙の白い教科書的な本が段ボールで山ほど送られて来た上、「修習までに読んでおこうね!」なるありがたい手紙も同封されていたのだが、そういったものを一人で読んで理解し起案できるのならば修習はいらないのではなかろうか…?

また、導入修習開始3日目から3日間にわたって起案をすることとなった。要は司法試験のような論述式答案の作成である。答案の型も知識も教わっていないに等しい。
やはり起案でも不知の知を修得したのである。

もっとも某教官の弁によると、導入修習は何が自分に足りないかを知る機会であり、何かを身に着けてもらおうと思っていないとのこと。そうすると私は導入修習の目的をこれ以上ないほど達成したことになるのでよき。※1
また、導入修習では各実務修習地の修習生がある程度まとまって一教室に集められる。加えて、グループワークの機会も多かった。そのため、人間関係を構築して今後の実務修習を円滑に進める意味合いもあるのだろう。そのおかげもあってか、友人が出来たのである。これもまたよき。

備忘録的に箇条書きで感想も記しておく。

・新しいレジュメが毎日のように配られるため、ビニールファイルのバインダーを持っていくと良い。
・連絡事項が多いため、手帳等は必須。
・Twitter等のSNSをやっている人はオフ会に参加すると楽しいと思う。私も凄く楽しく最後は主催したほどである。
・インフルエンザの予防接種は11月中に受けておこう。流行った教室があった模様。
・他人に迷惑を絶対にかけないように。
・食堂を頻繁に利用するなら回数券を購入すると良い。
・教室では自己紹介時間があるが、他の人の自己紹介をメモしておくと後々役立つ。笑いを取りにいく人が多かった(私もその一人)
・名刺は顔入りのも作成しておくとオフ会等で色々便利。
・『書記官事務を中心とした和解条項に関する実証的研究』は売店で買っておこう。
・寮では前の寮生が残した物を新規入寮生が領得できる慣習があったらしいのだが、今年から廃止されたようである。
・他人に迷惑を絶対にかけないように。
・和光市駅から司法研修所までは徒歩で約20分である。バスも出ているが、修習生以外も使用するバスであり、ぎゅうぎゅう詰めである。私は行きだけ利用していた。
・他人に迷惑を絶対にかけないように。

※1 勉強を進めるにつれ「あの話はこういう事だったのか」と腑に落ちる事がある。そうして身についた知識は一生忘れない。それこそが不知の知を得る意義かもしれない。

コメント